皆さんは、ユニクロのアイテムにどのような印象を抱きますか?
以前は、ユニバレという言葉があったように、ユニクロのアイテムを身に付けていることがバレると恥ずかしいと思う人が多くいました。
しかし最近は、ユニクロのアイテムを上手く活用したコーディネートをインスタなどのインフルエンサーがするようになったため、ユニクロはおしゃれだと感じる人が多くなってきたのです。
今回はそんなユニクロにイメージが変わった理由などからアパレル業界の今後はどうなっていくのか考えていくと共に、ユニクロの次にやってくると言われているワークマンについてご紹介していきましょう。
ユニクロはどうしてダサくなくなった?
ユニクロはかつて、「安かろう、ダサかろう」なファッションブランドだと思われていました。
ユニクロ=部屋着というイメージを持つ人が多かったのはそのためです。
ユニクロのアイテムは、素材もいまいちで、デザインもダサいけれど、大きめのサイズを選べば何とかなると思っていた若者がいるのも事実です。
それでも、ユニクロならではの微妙なカラーバリエーションから、無難な黒だけが売れるといった状況もありました。
イメージはかなり悪かったユニクロですが、今のようなイメージへと変わってきたきっかけはジル・サンダーとのコラボだと考えられています。
今までのユニクロのアイテムとは全く違う綺麗な形のシャツは、多くのアパレル関係者を驚かせました。
ここからユニクロの大躍進が始まり、今のようにオシャレなブランドだと思われるようになったと言っても過言ではないでしょう。
ユニクロのアイテムは、リーズナブルな価格で購入できるプチプラアイテムとして、多くの人が身に付けています。
以前は、ユニクロの服を着ているとダサいという風潮があり、敬遠している人も少なくありませんでした。
しかし、環境への配慮などを意識したエシカルファッションやノームコアなどが流行り始めたことをきっかけに、ユニクロに対する見方は変わってきているのです。
ノームコアは、パーカーやポロシャツ、ジーンズなどのカジュアルなアイテムを取り入れたコーディネートで、シンプルでユニセックスな装いを意味します。
ノームコアが流行り始めた2014年頃は、ちょうどユニクロが素材やデザインにこだわるようになったタイミングでもあります。
流行の流れにうまく乗っかることができたことから、ユニクロに対する見方が変わったという人は少なくないはずです。
ユニクロが持つ普遍性こそがアパレル業界に変革をもたらした
ユニクロの対するイメージはだいぶ良くなってきました。
しかし、まだユニクロ=「ファッションを知らない人が身に付ける」と思っている人がいることは確かです。
その理由は、ユニクロの店舗は駅の中にもイオンなどにもあり、街に溢れかえっているからです。
そのため、ZARAやH&Mなどのファストファッションと違うことに気が付いていない人はたくさんいます。
そんなユニクロは、ファストファッションではなくスローファッション的な思考を持っているファッションブランドなので、ZARAやH&Mとは全く別物と言っていいでしょう。
ZARAやH&Mのようなファストファッションブランドでは、企画が上がってから店に並ぶまでにわずか3週間なので、毎週のように新作アイテムが出てきます。
その代り、1つのアイテムを多く生産することはありません。
それに対して、スローファッション的な思考を持つユニクロは、工業製品のように同じものを大量生産しています。
ヒートテックの場合は1億枚以上売っていることから、その傾向は明らかです。
1度にたくさん生産するため、高級な素材を使ってもリーズナブルな価格で商品を提供できています。
そのかわり、1度作ったアイテムのマイナーチェンジしながら売り続けなければいけないという特徴を持ちます。
つまり、誰にでも似合うアイテムを作り続けなければいけないということでもあるので、最新のトレンドを次々に取り入れていくこともありません。
それが、スローファッション最大の特徴です。
このようなことを踏まえて考えてみると、ユニクロは普遍性があるファッションブランドだと言えます。
私たちが服を着ることの意味は時代の移り変わりによって変化してきました。
その中で、普遍性があるファッションへの注目度が高まってきたのです。
ユニクロの次はワークマンがやってくる!?
アパレル業界の中で大きな注目を集めているユニクロですが、アパレル業界を含む小売業界において目まぐるしいヒットを伸ばしているショップがあります。
それは作業服専門店のワークマンです。
ワークマンはユニクロの次に流行るのではないかと言われるほど、注目されています。
最後に、ワークマンが注目されるようになった背景にはいったい何があったのか見ていきましょう。
ワークマンの勢いは止まらない
ワークマンがヒットするようになったのは、2018年9月にワークマンプラスという新型店をオープンしてからです。
2019年3月期の既存店売上は前期よりも14%ほど伸び、営業利益は30%ほど伸びたと言います。
また、2019年4月~6月期にも売上高や営業利益を順調に伸ばしていることから、業績はどんどん拡大している会社だと言えます。
株価は1年で2倍に上昇しているため、ポスト・ユニクロとも言われています。
ワークマンの実力は本物?
ワークマンプラスでは、プライベートブランドのスポーツ衣料やアウトドア衣料を取り扱っています。
元々ワークマンでは建設現場などで働いている職人をターゲットにしていましたが、ワークマンプラスは一般客を取り込もうとしているのです。
なぜこのように方向性を変えたのかというと、職人が減っていて作業服の需要が先細っていくと考えられているからです。
そのようなターゲット層にアプローチし続けていると成長見込みもないため、新しい戦略を打ち立てる必要がありました。
そんな中、プライベートブランドの開発を進め、レインスーツで人気が高まっていきました。
SNSではバイク用のレインスーツとして評価が高まっていき、バイク専用ウェアとして新しいモデルを毎年開発するようになったのです。
その人気拡大をきっかけに、アウトドアウェアやスポーツウェア、レインスーツを一般客向け商品として開発に力を入れ、売上はどんどん拡大してきました。
ワークマンはなぜリーズナブルな商品を提供できているのか?
ワークマンの商品の多くは、1900円もしくは2900円という価格設定になっています。
これほどリーズナブルな価格を設定できるのは、大量生産することで原価を抑えられていること、EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)という価格政策を行ってていることが大きな要因となっています。
多くのアパレルショップでは、クリアランスセールなどで商品を売り切ろうとします。
利幅が小さくなってしまうので、価格設定を高めにしなければいけないのです。
それに対してワークマンは、値下げしないので利幅を高く設定する必要もないため、リーズナブルな価格を実現できています。
リーズナブルな価格で質の良い商品を購入できるワークマンは、大きなヒットをしたことで注目されました。
これからも、さらなる成長や拡大が期待できる会社として注目してみましょう。
アパレル業界は目まぐるしい変化をしています。
流行に左右される業界でもあるため、そのような状態になっているのでしょう。
そんな中で、スローファッションという考え方を持つユニクロの人気が高まり、次の段階へと進もうとしています。
特に注目されているワークマンの需要はさらに高まると見込まれているので要注目です。