ジャニーズ事務所の創業者であり、前社長である故ジャニー喜多川氏による問題は、世間の注目を集めました。
本人不在のまま記者会見も行われましたが、この件について弁護士の郷原信郎さんが批判しているようです。
そこで、この記事ではなぜ郷原信郎さんは旧ジャニーズ事務所の記者会見を批判しているのか、会見に同席していた弁護士やPR会社について調べた結果をお伝えします。
郷原信郎さんの主張とは?記者会見の概要まとめ
弁護士の郷原信郎さんは、ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の会見の何が問題だったと認識しているのでしょうか。
それらを知るために、まずは記者会見の概要から見ていきましょう。
・記者会見の概要
郷原信郎さんが問題視しているのは、ジャニーズ事務所の創業者で前社長だった故ジャニー喜多川氏による不祥事をめぐる記者会見での対応です。
この記者会見では、ジャニー喜多川氏が過去に行っていた性加害が争点となっています。
しかし、ジャニー喜多川氏は既に亡くなっていることから、事実関係の確認が難しく、ジャニーズ事務所や顧問弁護士は難しい対応を迫られたと考えられます。
実際、郷原信郎さんも自身のブログにて、以下のように述べています。
ジャニーズ事務所問題も宝塚問題も「巨大不祥事化」の可能性が高く、不祥事対応に関与することによる弁護士や事務所のリスクも大きいと判断すべき案件であった。
・郷原信郎さんは何が問題だと思っているのか
では、弁護士や事務所のリスクも大きいとされる今回の案件について、郷原信郎さんは何が問題だったと考えているのでしょうか。
郷原信郎さんは自身のブログで以下のように述べており、木目田弁護士の対応を批判しています。
木目田弁護士は、本来は表に出ないのが通常である危機管理業務で、記者会見にまで同席した。
木目田弁護士の会見への同席は、まさに、ジャニーズ事務所問題に「不祥事対応のエキスパート弁護士」として関わっていることをアピールするものと言える。
木目田弁護士は、社長らが行う2回の記者会見に自ら同席し、同社の危機対応をサポートする立場であることを自ら積極的に社会に表示したこと、記者の質問に答えて説明するなどしたことにより、同会見で会社側が発表した方針や記者会見対応に法的・コンプライアンス的に問題がないとのお墨付きを与えることにもなった。
上記のコメントから、郷原信郎さんは、木目田弁護士が記者会見に同席したことが問題であると考えていることがわかります。
・郷原信郎さんによる批判は適切なのか
記者会見に同席した弁護士の対応について繰り返し批判している郷原信郎さんですが、木目田弁護士がどのように考えているのか調べたところ、以下の投稿を見つけました。
これは、木目田弁護士の所属する西村あさひ法律事務所が発表したニューズレターに記載された内容です。
誹謗中傷や個人攻撃に対する対策は、本当に難しいと思います。私は弁護士として誹謗中傷への対応を企業や個人にアドバイスしてきました
また、私自身も特定の人物から執拗な誹謗中傷や個人攻撃を受けています
社会では、そうした誹謗中傷や個人攻撃に晒された方が自死に追い込まれるなど、大変不幸な結果が現に起きています。それにもかかわらず、誹謗中傷は止みません
木目田弁護士は、執拗な誹謗中傷や個人攻撃をしてくる相手について、明かしていません。
しかし、特定の人物から執拗な誹謗中傷や個人攻撃を受けているとあることから、郷原信郎さんによる実名を出した度重なる批判を指しているのではないかと推測されます。
木目田弁護士のコメントにもあるように、これまでも執拗な誹謗中傷や個人攻撃によって、自死に追い込まれた事例は後を絶ちません。
危機管理のスペシャリストである木目田弁護士は、こうした安易に批判を繰り返す行動に警鐘を鳴らしているのではないでしょうか。
記者会見の関係者は誰?同席していた弁護士やPR会社を調べてみた
会見に同席していた木目田弁護士とはどのような人物なのでしょうか。
ジャニーズ事務所の不祥事対応を行った弁護士やPR会社に関する情報をまとめたのでご紹介します。
・会見に同席していた弁護士は木目田裕弁護士
相次ぐ企業不祥事のなか、ジャニーズ事務所による一連の不祥事対応を行ったのは、大手法律事務所「西村あさひ法律事務所」の木目田裕弁護士です。
木目田弁護士は、1967年9月26日生まれの56歳です。(2024年4月時点)
東京大学法学部第一類卒業し、現在所属の西村あさひ法律事務所に所属する以前は、検事として活動しており、東京地方検察庁特別捜査部や法務省、金融庁でも勤務していた経験があるようです。
木目田裕弁護士は、危機管理実務の創始者で、これまで数多くの企業不祥事に対し、どのように対応すべきかをアドバイスしたり、第三者委員会や調査委員会の委員を務めたりしてきた人物です。
日本経済新聞が開催するランキング「今年活躍した弁護士」での受賞歴もあるなど、企業の不祥事対応のエキスパートとしても知られています。
現在は、企業の危機管理問題をはじめ、様々な案件に対応しているようですが、残念ながら個別の案件については基本的に公表しない方針のようです。
ただ、過去には巨額の賠償請求対応もしていることから、今後も危機管理分野で活動していくと考えられます。
・関わっていたPR会社はコンサルティング会社FTIの日本法人
コンサルティング会社FTIは、アメリカに本社を置き、幅広いビジネスリスクに対するソリューションを提供する企業です。
今回、記者会見の対応が批判されている背景には、「NG記者リスト問題」の存在も少なくありません。
これは、特定の記者に質問させないためのNGリストがあったとされる問題です。
記者会見を円滑に進めるための配慮としてFTI側が作成したようですが、井ノ原快彦氏が「絶対当てなきゃだめですよ」と発言したことから、実際に運用はされておらず、ジャニーズ事務所や木目田裕弁護士も関与していないと考えられます。
郷原信郎さんの今後の活動は?
郷原信郎さんは、1955年3月2日生まれの69歳です(2024年4月時点)
東京大学理学部卒業後、一般企業に就職するものの、1980年に旧司法試験に合格、検事として活動していました。
その後、2006年に検事を退官後、2008年に郷原総合コンプライアンス法律事務所を設立、代表弁護士を務めています。
現在は五輪談合事件について、株式会社セレスポと同社専務取締役の鎌田義次さんの主任弁護人を務めているとのことです。
令和5年10月に第1回公判が開かれたとあることから、今後も弁護人として活動していくものと思われます。
今回は、ジャニーズの会見を批判したとされる郷原信郎さんをはじめ、会見に同席していた弁護士やPR会社についてご紹介しました。
まとめ
日本でも最大手の芸能プロダクション、ジャニーズ事務所による不祥事の行く末は、日本中の注目を集めることとなり、その結果、記者会見を担当した西村あさひ法律事務所の木目田弁護士は、危機管理対応について批判を受けることになりました。
郷原信郎さんも自身のブログやSNS、ニュースサイトへの寄稿文で一連の問題について実名を出して批判していますが、木目田弁護士側もニューズレターで特定の人物からの執拗な誹謗中傷や個人攻撃があったことが明かすなど、深刻な被害を公表しています。
木目田弁護士は実名を出していないため真意は定かではないものの、こうした批判を指しているのではないかと推測されます。
木目田弁護士は、危機管理分野のスペシャリストとして、今後も活躍が期待されている人物です。
今後もジャニーズ事務所に関わっていくのか、注目です。