睡眠時間が長いと得する?!今時の「企業の福利厚生」を考える

ストレス社会である現代は、企業におけるメンタルヘルス対策や健康対策の重要性がますます増大しています。そんな中、従業員の心と体の健康を支える様々な施策を行う企業に注目が集まっています。新しい時代の企業における福利厚生制度をご紹介しましょう。

 

睡眠時間報酬制度

たくさん眠って、長時間の睡眠を確保した方が得になるという一風変わった福利厚生制度に注目が集まっています。ブライダル企業のCRAZYが導入した「睡眠時間報酬制度」は、睡眠時間が長い方が得になる福利厚生制度です。社員の健康を促進して、ひいては生産性を向上させることを目的に制度化されました。

現在では85人の従業員のうち、50~60%の人が利用する制度となっています。この制度では週5日以上、睡眠時間が6時間以上の従業員に対して、社内食堂などで利用できるポイントを付与しています。働き方改革が推進される中、業務外の「睡眠」習慣を改革することを仕事の取り組み方の改善につなげる新しい施策と言えるでしょう。

 

制度化した理由

ブライダル企業のCRAZYが「睡眠時間報酬制度」を導入した理由には、社長のある思いがありました。「社員が健康でなければ生産性は落ち、会社は儲からない。儲からなければ従業員も経営者も幸せではない。睡眠にメスを入れたかった。」と社長は語っています。

ブライダル業界は、特に繁忙期が激務になりがちです。実際にCRAZYでも、「睡眠時間報酬制度」の導入前は従業員の睡眠時間は平均で約5時間半でした。社内の調査でも、「睡眠・休息の取り方が不十分でパフォーマンスが出ない日が週に1日以上~ほぼ毎日ある」と回答する従業員が70%を占めていました。

この状況を改善すべく、働いている時間を管理する労働管理の発想を転換し、労働時間外の過ごし方も管理する制度を設けたのです。働いたらお金がもらえる制度ではなく、眠ったらお金がもらえる制度という逆転の発想が生んだ制度が、「睡眠時間報酬制度」といえるでしょう。

 

寝具メーカーの協力

CRAZYの「睡眠時間報酬制度」は寝具メーカーの協力で、より充実した制度として運用されています。寝具メーカーのエアウィーヴが、睡眠計測アプリを開発して睡眠の改善をサポートしています。

従業員が睡眠計測アプリ「airweave sleep analysis」を起動させ、スマートフォンを枕元に置いて眠ると、睡眠中に様々なデータが計測できます。

睡眠中の体の動きから、睡眠時間、寝付き、眠りの深さなどを計測します。「睡眠時間報酬制度」を利用するためには、従業員は計測結果をダウンロードして会社に提出することが必要です。計測結果はCVS形式で提出し、ポイントが獲得できる仕組みになっています。さらに、眠りの質を改善したい場合は、格安でエアウィーヴの寝具を購入することも可能です。

 

ポイントの利用方法

「睡眠時間報酬制度」で獲得できるポイントは、5日連続6時間以上の睡眠で500ポイント、6日連続なら600ポイント、7日連続なら1000ポイントです。つまり、営業日だけでなく休日の夜に関しても測定の対象となっています。計測を怠らず、1ヶ月連続で毎日計測すると皆勤賞の1000ポイントが獲得できます。

ポイントの価値は100ポイント=100円です。獲得したポイントは、社内にあるカフェや社員食堂で販売されているおにぎりやコーヒー、スイーツなどの購入に使用できます。

社内で提供される食品は添加物を使用しない健康的なものがメインなので、健康的な睡眠で得たポイントで健康的な食品が手に入るという、理想的なサイクルが生まれるのです。

 

制度定着までの道のり

もちろん、「睡眠時間報酬制度」の導入直後は、制度を受け入れない従業員もいました。思いっきり働きたいと主張して制度の活用を拒否する従業員や、アプリを起動し忘れるなど制度自体に慣れない従業員も見受けられました。

そんな中でも社長の精力的な告知や、メディアでの報道などが功を奏し初月の制度利用者は従業員全体の6割、53人となりました。
計測した従業員の平均睡眠時間は5時間49分と従来比+19分という結果となり、若干の改善が見られました。付与されたポイントは総計1万1000ポイントで、多い人では4000ポイントを獲得しています。

ただし、ブライダル業界の繁忙期にあたるクリスマスシーズンには、計測者数は落ち込み、11月は45人、12月は39人に減少しました。それでも計測者の平均睡眠時間に関しては、12月は6時間8分と前年比で+38分と大きな改善がありました。

繁忙期が過ぎた1月には計測者数は44人、2月は49人と回復し、平均睡眠時間に関しては1月は6時間25分、2月は6時間17分で、それぞれ前年比で+17分、-8分を記録しています。

 

制度導入の効果

「睡眠時間報酬制度」の導入は、睡眠時間の改善以外に従業員の働き方にも影響を与えました。繁忙期には仕事ありきとなり、睡眠時間を確保する従業員が少なかった導入前と違い、制度が活用されるようになってからは睡眠時間も重視する姿勢が見られるようになったのです。

睡眠時間から逆算して、その日にすべき仕事内容を管理し、スケジュール調整をする従業員が増えました。中には、無理な残業をする代わりに朝の出勤時間を早めている従業員もいます。

 

スポーツ報酬や合同ランチ制度

睡眠報酬以外にも、従業員の健康を維持するための制度として、健康的な取り組みをしている従業員に報酬を与える制度を企画する企業もあります。

具体的には、スポーツをした従業員に対してインセンティブを付与したり、健康的な食事を続けている従業員に対してポイントを提供するなどの制度が検討されています。もちろん、食事もスポーツも業務外での行動となるため、強制的に管理をすることは難しいという側面はあるでしょう。

しかし、様々な工夫を凝らしながら従業員の健康を促進し、体調管理に対するモチベーションを上げていく企業の姿勢そのものに、これからの福利厚生制度の可能性が感じられます。

また、従業員同士が円滑にコミュニケーションを取れるよう、合同ランチ制度を取り入れている企業もあります。職場での人間関係が働く人の意欲を左右するケースは多いものです。

スムーズに仕事をすすめ、ストレスなく働くためには職場の人間関係にも配慮しなけらばならない時代です。そのための制度として、従業員が毎日一緒にランチを取ることを制度化しています。

 

花粉症手当

花粉によるアレルギー症状に悩む人にとって、花粉の季節は集中力が続かない辛い日々の連続です。ある試算によれば、アレルギー性鼻炎は仕事の生産性を5.4%も下げるともいわれています。仕事上で大切な判断力や、仕事の能率そのものにも影響を与えてしまう花粉症は、従業員個人の悩みであると同時に企業にとっても対策が必要な悩みといえるでしょう。

そんな中、福利厚生として花粉症手当を取り入れている企業もあります。花粉症の申請をおこなった従業員に対し、目薬や専用マスク、花粉症用スプレーなどを支給します。

さらに、花粉症の通院にかかる費用も会社側が全額負担しています。花粉症は初期の段階で通院し適切な治療を受ければ症状が軽くなり、仕事の能率が上がります。積極的に花粉症対策を行うことが、企業にとってもメリットになるといえるでしょう。

従業員の心と体の健康は、企業活動に大きな影響を与えます。冷静な判断力、しっかりとした集中力、素晴らしい発想力、円滑なコミュニケーション力があってこそ、企業も成長が望めるのです。

人材育成と職場の活性化と同時に、従業員の心と体の健康サポートが従業員自身だけでなく企業側にとっても大きなメリットを生むことにつながります。メンタルヘルス対策や健康対策に関連した福利厚生制度を取り入れる企業は、今後も増え続けるでしょう。

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