2018年10月だけで9社も上場することになりましたが、今回マザーズに上場したのは「VALURNEX」という企業です。VALURNEXはビックデータの情報分析および情報提供サービス、ツールライセンスの販売業を行っています。
今回はVALURNEXの詳しい概要や事業内容、またサービス・社員の口コミ評判などを調べてみたのでご紹介しましょう。
VALURNEXの概要
VALURNEXは2006年8月に設立され、本社は東京都文京区にあります。代表取締役社長は中村達生氏で、2018年10月30日時点の資本金は455百万円です。
創業から顧客の価値創造を支援するために独自にアルゴリズムで分析手法を築いていき、価値の提供に努力してきました。
設立当初は「株式会社創知」という社名で、2007年に特許情報を分析するツールの「XLUS」を販売し、それ以降も情報分析ツールの開発販売を行っています。
2014年1月に社名を「VALUENEXコンサルティング株式会社」に変えますが、2017年7月に現在の社名に再度変更しています。
また、2014年2月にはアメリカに進出して「VALUENEX, Inc.」を設立し、2018年に100%子会社化しました。
VALURNEXは世界に溢れている情報から信頼性、俯瞰性、客観性、正確性、適正性の視点を組み合わせ、「知(価値)」を創造していくことをミッションとしています。
ビジョンには「知」を求める人々に価値を提供すること、世界に認知されること、自分達で考えて行動していく企業を目指して躍進していくことでしょう。
VALURNEXの事業内容
「知」の創造とは具体的に何かピンとこない方は多いでしょう。
具体的には独自の分析アルゴリズムで予測分析システムを築き、特許や文章情報を分析し、事業の創出や技術開発などを活かす事業です。
VALURNEXの事業内容を簡単に説明すると、APS事業、コンサルティング、レポート販売の3つの事業を行っています。
VALURNEXでは「TechRadar」と「DocRadar」という情報分析ツールを提供しています。
TechRadarは業界や技術分野、企業の特許分析することで技術開発や製品開発の戦略を策定に活かしたり、特定の特許や類似特許、周辺特許の検索に役立てたりすることが可能です。
DocRadarは文章情報を類似度評価で可視化し、アンケートの自由項目など整理が難しい文章情報の整理をしやすくします。
上記の情報分析ツールを用いて、顧客の課題解決や目標達成を目的に企画の提案からプロジェクトの実施、実施の結果の報告、フォローアップまでトータルにコンサルティングしてくれます。
コンサルティング業の一環となりますが、自社ツールを用いた分析データのレポートだけを販売するサービスも行っています。
例えば、俯瞰図だけを見たい人向けに希望のテーマに合わせて分析データを提供や、VALURNEXが企画したテーマごとに複数の企業が参加し、低価格で分析結果を受け取れるサービスなどを行っています。
サービスや社員の評判はどう?
VALURNEXのサービスの評判や働く環境への評価が気になる方は多いでしょう。実際の評判を知るために、サービスと社員の口コミをご紹介しましょう。
【サービスの口コミ】
まず良い点ですが、特許の類似性で全体像を俯瞰できるという、他のツールにない分析ができる点です。
具体的には、契約条件によりますが、最大で10万件の特許公報を分析できる点、あるいは公報番号と関連付けることで独自分類を付与して全体俯瞰図でハイライトできる点、またDocRadarでは、特許情報だけでなくテキスト情報の分析が可能な点などがあげられます。
また、コンサルテーションを通じ、様々なシーンでの利用方法を教えていただきましたが、アイデア次第で利用シーンを広げることができるポテンシャルの高いツールと感じています。
VALUENEXさんの解析は何百万桁もの膨大な計算がされる正確性の高いアルゴリズムが組まれており、レベルは他のコンサルティングサービスを凌駕していると感じています。
また、特許情報に限らず、国内外の論文データや公開できないフローを都度チューニングアップいただくきめ細やかさがあり、もはや代替できないサービスであると感じています。
VALUENEXの情報分析ツールはパナソニックや本田技研工業、ウエルインベストメントなど大手企業も様々な用途で活用しているようです。
口コミでは他の特許分析ツールでは難しい類似性から全体像を俯瞰分析できたり、工夫次第で幅広い利用シーンにツールを活かせたりできるハイスペックさが良いと評価されています。
また、コンサルティングのレベルも高く、信頼して相談されている企業は多いようです。
VALUENEX側も顧客の要望や提案を真摯に受け止め、今後の開発に活かそうとする姿勢も各企業との信頼関係を築く要素になっているのでしょう。
【社員の口コミ】
コンサルティング業務では、主に企画提案に従事しています。まだ入社して半年ですが、多くの企画提案に携わることができています。
これから大きなコンサルプロジェクトが始まり、私も遂行部隊としてアサインされており、非常にワクワクしています。
ある海外企業が既に我々のことを知っており、議論している中で是非協業したいとの打診までいただきました。
着実に海外での知名度が向上しつつあること、協業を打診するほど当社に魅力を感じてもらっていること、非常に嬉しかったです。
VALUENEXでは一つの仕事を行うのではなく、色々な仕事を掛け持ちされる方が多いようです。
入社して半年ほどの社員でも企画提案ができ、また大きなプロジェクトにも関われることが分かりました。
すでにアメリカに進出していますが、VALUENEXは地財関連の国際カンファレスなどにも参加しており、海外企業からも少しずつ知名度を挙げているので、海外での仕事に携わりたい人にもやりがいがありそうです。
同時にVALUENEXの情報分析ツールは海外でも求められているとも言えるでしょう。
競合他社との比較
VALUENEXのように特許分析や文章分析のAPS事業やコンサルティング業を行っている競合他社を調べてみました。
競合他社に当てはまるのは株式会社パテント・リザルト、株式会社ALBERT、株式会社イーパテントなどが見つかりました。
どの企業も独自のアルゴリズムでビッグデータを可視化できるツールや、情報提供によるコンサルティングを行っているようです。
ただ、情報分析ツールの提供、もしくは情報提供とコンサルティングだけとAPSとコンサルティングを一緒に行っている企業は少ない印象があります。
コンサルティングよりもセミナーという形でサポートしている企業が多く、より緻密に分析とコンサルティングを行うならVALUENEXが適していると言えるでしょう。
また、海外のビッグデータの分析を扱う企業は多くみられますが、VALUENEXはグローバル化が加速しているので、分析できる対象の国はもっと拡大していくと考えられ、より高性能のツールと登場やグローバルなコンサルティングにも期待できます。
今回はマザーズに新規上場したVALUENEXについて色々とご紹介してきました。VALUENEXの分析ツールは大手企業も絶賛するほど高性能で、コンサルティングも的確で質の高さを評価されています。
社内でも色々なことをチャレンジできる、グローバルに働けることが仕事のやりがいにつながっているようです。
顧客からの信頼や社員の頑張りが業績や社会的信用につながり、今回のマザーズ上場を果たすことができたのでしょう。
まだまだ成長段階のベンチャー企業ですが、海外での知名度も少しずつ上がっているので、しっかり成果を残せば東証二部や一部の上場の可能性も遅くはないかもしれません。
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